男子T54 200m決勝の西(左)と生馬(右)

男子T54 200m決勝の西(左)と生馬(右)

第28回日本パラ陸上競技大会が6月10日、11日に、駒沢オリンピック公園陸上競技場で開催された。トラック種目・車いす男子(T54)短距離100mは生馬知季選手(25歳、World-AC所属)、200mは西勇輝選手(23歳、野村不動産パートナー所属)が優勝した。
年齢が近いことから互いに刺激を受けあう関係の生馬と西。
両選手ともに2017年7月にロンドンで開催される世界パラ陸上競技選手権大会の日本代表に選出されており、世界の舞台に挑む。

大会1日目の男子(T54)200m決勝。
スタートが得意な生馬知季選手が先行していたが、西勇輝選手が追いかける展開。ゴール手前で生馬を刺した。西の走りが昨シーズンと違うのは、後半の走りに伸びがあることだろう。

「スタートで生馬さんに先に行かれましたけど、直線で抜いてやろうと思っていました。風が向かい風だったので、思ったより伸びなかったんですけど、最後の一押しでギリギリで刺したと思います。冬場の走り込みの結果が、後半の伸びにつながっていると思います。今後はスタートを改善できたらいいですね」と西。

一方、生馬は、「スタートで前へ出ることができるという点で、200mは自信を持っていたので負けてしまったのがすごく悔しいです。風が強かったのもあるんですけど、直線に入った時にばたついて、一気に減速してしまったのが敗因だと思います。西選手を意識してしまったことが、フォームの崩れにつながってしまいました。自分の走りが不安定なことがあると分かったレースだったと思います」と話した。

大会2日目の100m決勝は、200mで敗れた生馬が制した。
「この種目では、負けたくないという気持ちが強いです。今大会は年齢が近い選手が集まっているので、刺激をもらっていますし、自分自身も高めていけると思っています」
予選の走りのタイムを見て、自身の漕ぎが大きくなりすぎていたことに気がつき、決勝は修正して臨んだ。200m決勝の反省から他の選手を意識しないことを心掛けたという。

世界トップレベルの選手たちと競いあうのは、まだ、これからだ。
2人の今後の成長に期待したい。

【結果】100m決勝
1位 生馬知季選手 15.06
2位 佐矢野利明 15.22
3位 西勇輝 15.24

【結果】200m決勝
1位 西勇輝 26.51
2位 生馬知希 26.56
3位 百武強士 28.14

(取材・撮影:河原レイカ)