世界王者ブラジルの攻めに必死に対応する日本
世界王者ブラジルの攻めに必死に対応する日本

さいたま市と日本ブラインドサッカー協会主催で3月20日に開催された国際親善試合「さいたまノーマライゼーションカップ2013」で、日本代表(B1クラス)は、ブラジル代表と対戦した。

ブラジル代表は、アテネ、北京、ロンドンとパラリンピック3連覇中の“世界王者”。2016年にリオデジャネイロで開催されるパラリンピックへ向けて、さらなる強化を目指しているチームだ。
パラリンピック初出場を目指す日本代表の選手たちは、世界トップレベルの選手に挑み、手ごたえと課題を感じた。

試合は、左右に確実にパスをつないでゴールに迫るブラジルに対し、日本が好守し、前半を0対0で折り返した。
後半は、ブラジルのRicardo Steinmetz Alves(ヒカルド ステインメツ アウべス)選手が巧みなシュートで、立て続けに2得点。
日本もドリブルで突破した川村怜(かわむら りょう)選手がゴールを決めた。結果は1対2でブラジルが勝利。MVPはブラジルのRicardo選手、MIPは日本の川村怜選手が獲得した。

得点を決め、MIPを獲得した川村選手
得点を決め、MIPを獲得した川村選手

川村選手は、今回初めて、日本代表選手として出場し、得点を挙げた。

「世界のトップと対戦できたことは、すごい収穫です。あんなふうにしようという目標ができたので、そこに向かって一生懸命に練習すれば近づいていけるんじゃないかなと思いました」と川村。

「ブラジル代表は、想像していたスピードよりは遅かったんですが、やはり無駄がなく、すべてをスムーズに運んでいって、シュートまで持っていくなと思いました。切り返しは、日本との大きな差を感じました。僕の持ち味は、スピードあるプレイと、運動量。自分のストロングポイントを伸ばしていきたいです。ボールへの反応とかドリブルは、まだまだ自分のものになっていないと思いました。世界の舞台で自分の持っているプレイが出せるようにできればと思います」。

写真(3)-技術の上手さが光るブラジル2
写真(3)-技術の上手さが光るブラジル

今大会で日本代表チームのキャプテンを務めた落合啓士選手は、
「どういうことをすれば世界で通用するのか、イメージができたと思います。日本は、細かいところの一つひとつが世界と差があります。日本は、フォワードにトラップを上げようとしたときに通らず、スルーしてしまって相手のボールになってしまったり、キーパーからのボールがカットされてしまうことがあるのですが、ブラジルはそういうことがありません。壁で跳ね返ったボールを受けてすぐにドリブルに入りますし、ブラジルは世界一のチームで、本当に無駄のないプレーをします」と話した。

今年は、2014年に開催される世界選手権のアジア予選が開催される予定。日本代表は、まず、アジアでのトップを目指す。

(取材・撮影 河原由香里)