東京マラソン2014が2月23日に開催され、車いす男子は、山本浩之選手が副島正純選手を最後に振り切って優勝。女子は土田和歌子選手が優勝した。
東京マラソンは、東京都庁をスタートし、銀座、浅草を通過して、東京ビックサイトがゴールとなる。1週間前には大雪に見舞われた東京だったが、この日は晴天に恵まれ、沿道からは多数の声援もあった。
(取材/河原由香里・写真・Ⓒ東京マラソン財団)
男子1位の山本選手、女子1位の土田選手の記者会見でのコメント
主な質疑応答
■山本浩之選手
今日は風も弱く、寒さもそれほどなく、走りやすいコンディションでした。副島選手がかなり強くて、彼の様子を見ながら、二人で最後までもつれました。最後の登りで仕掛けるしかないと思って、そこでいくことができて、良かったです。
Q 副島選手と並走していたが、記録表を見ますと35kmまで同タイムで、35kmすぎで山本選手が前に出たように思ったんですが、そのあたり、どうだったんですか?
副島選手と終盤までずっと一緒で、どちらが先ということはなく、並走という感じでした。35kmで切れたという感じはなかったですね。自分が前に出たときも、副島選手をちらちら見ていたんですが、切れることなくお互い二人でずっと走ってきていたんで。
下りでも、副島選手の腕に動き、車いすの転がり具合を確認していたんですが、『これは、二人で、もつれるかな』と思っていました。
Q 勝負を仕掛けた地点と、勝敗を分けたポイントについて教えてください。
勝敗を分けたのは、お互いのトレーニングの差と思うんですけど。
走っていて、副島君もかなり仕上げてきていると感じていましたし、最後に上りと下りがありますので、その上りでなんとか離せればと思っていましたので、体力を温存しながら、タイムを計算しながら走っていました。必死で、まったく余裕はなかったですね。
Q 勝敗を分けた差について、トレーニングの差と言われましたが、今、特に意識して取り組んでいる内容がありましたら、教えてください。
筋トレはしないタイプなので、走り込みしかないんです。
昨年は、東京マラソンに向けて意識して練習できてなかったんですけど、そうしたら、副島選手と洞ノ上選手にスタートからぱーんと逃げられて。これはちょっと一生懸命練習しないと、2人とも東京マラソンに狙ってきているなと思いまして。
昨年のうちから走り込んで、今年も寒かったんですけど、1月も室内のトレーニングで、ローラーの走り込みをしました。しっかり走りこめて、体力をつけることができたのがよかったと思います。
■土田和歌子選手
今日は、条件的には例年にくらべて非常に良かったと思います。男子のスピードのある選手の集団の中で10kmくらいまでいけたんですが、その先から少し離れてしまって、体が思うようにいかなくなって、自分としては、きついレースだったなと思います。
昨年から、レース用車いすのポジションを変えたり、スピードを出すために今、いろいろ試している段階の一つのレースとしては、結果としては次に結びつくレースだったと思います。
沿道の声援は、本当に毎年、多いですね。名前で呼んでもらえることが本当にうれしくて、後押しされます。
Q:椅子のポジションを変えている点以外に、トレーニングの中で、意識をして取り組んでいることがありますか?
私は、女子の選手の中でも腕が短くて、肩幅がないんです。マニアックな話になるんですけど、いかに車輪に力に伝えるかというと、私たちは車輪の中のハンドリングを押しているんですけど、自分の手を届かす、「漕ぎしろ」を長くすることを意識して取り組んでいます。
ここ3か月トライしているところです。出力を高くするために、届く範囲をつくっていきたいと思います。
Q:2014年、ピークにもっていきたい大会がありましたら教えてください。
私は、基本的に秋にあるマラソンをメインにおいているんですけど、今年は4月にロンドンマラソンとボストンマラソンがあります。連戦になるんですけど、競合の選手たちがエントリーしていますので、そこで、今の力をどのくらい発揮できるのかを見てみたいと思います。
【結果】
車いす男子
1位 山本浩之 1:30:43
2位 副島正純 1:30:44
3位 洞ノ上浩太 1:34:45
4位 西田宗城 1:34:46
5位 吉田竜太 1:38:55
車いす女子
1位 土田和歌子 1:48:08
2位 中山和美 2:04:05
3位 高嵜瑞貴 2:07:35