優勝した日本Aと2位のタイ

優勝した日本Aと2位のタイ

2019 ゴールボール ジャパン メンズ オープンが1月13日、14日の2日間、千葉県の佐倉市民体育館で開催され、日本Aチームが決勝でタイを15対12で破り、優勝した。3位決定戦は、日本Bチームがオーストラリアに6対3で勝利した。

今大会は、タイ、オーストラリア、カナダ、日本(Aチーム、Bチーム)の4カ国5チームが出場。予選ラウンドでは、日本Aチーム(宮食行次、山口凌河、辻村真貴、田口侑治)が日本Bチーム(信澤用秀、佐野優人、小林裕史、金子和也、川嶋悠太)に10対0、対オーストラリア5対4、対カナダ12対2で勝利したが、タイには5対9で敗れていた。
一方、タイは、日本A、カナダ、オーストラリアに勝利したものの、日本Bチームには6対9で敗れていた。

日本Aチームにとっては、リベンジの機会となるタイとの決勝戦。
タイは、前半の序盤、速球の猛攻を掛けてきた。約2分間に相次いで得点を決め、0対5と5点差をつけられる展開となった。
しかし、タイにロングボールのペナルティがあり、日本Aがこのチャンスを生かして1点を返すと、流れは日本Aチームに傾き始めた。
前半の終盤は、日本Aの辻村真貴選手が得点を重ねてタイに追いつき、6対6で折り返した。
後半も辻村の攻撃は波に乗り、山口凌河選手も攻撃に貢献。
終盤には、センターの宮食も得点を決めた。
タイは選手交代を頻繁に行いながら追い上げを図ったが届かず、15対12で日本Aが優勝した。

辻村選手

辻村選手

「どんな状況になっても、声を出していこうと考えていました」と辻村。
チーム内では、試合がどのような展開になっても諦めないで戦う意識を共有していたという。山口も「チーム力で勝った優勝」とコメント。ただし、タイのスピードと圧力のある攻撃への対応については課題が残るとした。

江黒ヘッドコーチ

江黒ヘッドコーチ

ヘッドコーチの江黒直樹氏は、決勝を振り返り「失点数は対戦相手に3点以内ということをチームの目標として掲げてやってきていますので、これだけ打ち合ってしまったのは反省すべき点があります。ただ、0対5からひっくり返せたことは、メンタル面でもトレーニングの効果が出てきていると思います」と評価した。
日本代表チームでは、守備面ではセンターとウイングの間を抜かれないこと、攻撃面ではスローイングの正確性などを課題として取り組んでいるため、そのための練習の成果を今大会で発揮するように伝えていた。今大会については、海外のチームとの対戦を通して、若手や経験の少ない選手の成長の機会や、チーム内の刺激につながることを期待。手ごたえを感じているとした。

■勝利を喜び、課題も見据える

日本Bチームの佐野(左)と金子(右)

日本Bチームの佐野(左)と金子(右)

日本Bチームの金子和也選手は、3位決定戦での勝利について、「純粋に嬉しいです」と答えた。自身が得点を上げてもっとチームを楽にしたかったという思いもあり、重要な場面での失点など課題を整理していきたいと話した。
佐野優人選手は、3位決定戦について「いつもどおり、リラックスしてコートに入ることができました」と振り返った。今大会では、センターとウイングの両方を経験する機会を得て、それぞれのポジションの役割に面白さを感じているという。

(取材・撮影:河原レイカ)