マルセルフグが7回目の優勝

マルセルフグが7回目の優勝

第38回大分国際車いすマラソン、男子(T34、T53、T54)のレースは、大分市営陸上競技場のトラック勝負となり、マルセル・フグ選手(32歳、スイス)が優勝した。2位は、鈴木朋樹選手(24歳)、3位はユ・ビョンフン(46歳、韓国)が入った。
2位の鈴木のほか、4位の山本浩之選手(52歳)、5位の西田宗城選手(34歳)の日本人上位3選手は、2019年のマラソン世界選手権の日本代表に内定した。

終盤、競技場内トラックでの勝負を選択したマルセル。確実に勝ちにいった。

終盤、競技場内トラックでの勝負を選択したマルセル。確実に勝ちにいった。

マルセル・フグは、第30回~35回大会まで大会6連覇の実力を持つ選手。
第36回大会は、レース序盤でコースを外れて途中棄権したため、連覇は途絶えていた。
昨年の第37回大会は台風で中止となったため、2年ぶりの今大会。再び優勝を狙うマルセルがどのようなレースをするのか。また、マルセルが途中棄権した第36回大会で優勝した山本浩之(52歳)、2位の鈴木朋樹らが、マルセルにどう挑むのかが注目された。

レースは、マルセル、山本、鈴木のほか、西田宗城(34歳)、ユ・ビョンフン(46歳、韓国)、久保恒造(37歳)、洞ノ上浩太(44歳)、吉田竜太(37歳)、エレンスト・ヴァン ダイク(45歳、南アフリカ)が先頭集団を構成。
マルセルは、集団から抜け出さず、最後の競技場で勝負する戦略をとった。

2位の鈴木。集団の中で、他の選手の動きを確認しながら走った。

2位の鈴木。集団の中で、他の選手の動きを確認しながら走った。

競技場に入ると、世界トップレベルのマルセルが強さを発揮。6人の集団の中から先頭に立ち、ゴールテープを切った。記録は1時間23分59秒だった。2位は、トラック種目をメイン種目としている鈴木が入った。

2位の鈴木は、マルセルと同様に集団の中で走り、終盤のトラックで勝負する選択をした。
「最後にマルセルには勝ちたかったですけど、最後に差しきれず2位で終わりました。それぞれの選手が今、どこにいて、どういうレースをするのか見ながら、レースをしました。前回(第36回大会)は自分が前に出て、集団を引っ張った感じだったんですけど、今回は自分が自制して走りました。自分がもう一歩、スプリント力がついてきたら、先頭でトラックに入って、そのままゴールということもできたと思うんですけど。現時点では、正直、マルセルには届かない」

女子優勝の喜納。新しいレーサーで挑み、自己ベストを更新した。

女子優勝の喜納。新しいレーサーで挑み、自己ベストを更新した。

マラソン女子(T34、T53、T54)は、今年の東京マラソン、ベルリンマラソンなどで優勝しているスイスのマニュエラ・シャー選手が欠場。喜納翼選手(28歳)が優勝した。喜納は、1時間39分36秒で自己ベストの記録。2019年のマラソン世界選手権の日本代表も内定した。

(取材:河原レイカ、撮影:小川和行)