優勝した福岡Aの洞ノ上浩太選手

優勝した福岡Aの洞ノ上浩太選手

第26回全国車いす駅伝競走大会が3月8日(日)、京都市内で開催され、福岡Aチーム(洞ノ上浩太、大津圭介、渡辺勝、山本浩之、田中祥隆)が優勝した。福岡は大会4連覇。
記録は44分31だった。

2位は東京(鈴木朋樹、花岡伸和、安岡チョーク、吉田竜太、西勇輝)、3位に大分A(廣道純、渡辺習輔、佐矢野利明、河室隆一、笹原廣喜)が入った。

同大会は、宝ヶ池の国際会館前から西京極運動公園までの21.3kmを5人の選手でつないで走る。車いすの選手は、襷の受け渡しではなく、次の走者の身体(車いすも身体の一部)に触れてつなぐ。

今年は、国際大会でも活躍する洞ノ上浩太(40歳)、山本浩之(48歳)、渡辺勝(23歳)と、大津圭介(47歳)、田中祥隆(39歳)で構成した福岡Aチームが、さらに連覇をかさねるか。
2月の東京マラソンで表彰台に上がった鈴木朋樹(20歳)と吉田竜太(33歳)、今後の活躍を期待されている西勇輝(21歳)に、パラリンピック出場経験のある花岡伸和(38歳)、安岡チョーク(42歳)で構成した東京チームが優勝争いに絡んでくるか、注目を集めた。

強豪選手が顔をそろえる第1区(国際会館から京都大学前までの6.4km)は、スタートから1km過ぎまで、洞ノ上浩太(福岡A)、副島正純(長崎)、樋口政幸(長野)、西田宗城(大阪)、鈴木朋樹(東京)の5人が先頭集団を形成。跨線橋の上り下りで、洞ノ上と樋口政幸(36歳)の2人が抜け出し、後続を引き離した。4km付近で樋口が先頭に出てそのまま快走、区間賞を獲得した。記録は11分27だった。

第2区(京都大学前から烏丸下立売まで2.8km)は、優勝をねらう福岡Aの大津圭介が先頭に出て逃げ、東京の花岡伸和が5位から3人抜いて追いあげる展開。区間賞は花岡が獲り、記録は6分17だった。

福岡Aは、第3区(烏丸下立売から烏丸紫明まで2.4km)の渡辺勝、第4区(烏丸紫明から西大路御池まで5.8km)の山本浩之がそれぞれ区間賞の走りでつなぎ、後続との差を広げた。第5区(西大路御池→西京極まで3.9km)の田中祥隆も先頭を守って、優勝した。
東京は、福岡Aとの差を詰めることはできなかったが、昨年より一つ順位を上げて2位。第5区の西勇輝は区間賞を獲得した。

福岡チームは4連覇

福岡チームは4連覇

◆優勝した福岡Aの主将、第1区走者の洞ノ上選手
「今回は、自分は区間賞よりも東京チームをどう引き離すかということを考えていました。2月の東京マラソン以降あまり調子は上がっていなくて、自信はなかったんですけど、結果的には引き離すことができたので上出来だと思います。来年の福岡はもっとパワーアップすると思います。今年、福岡はAチーム、Bチームの2つのチームで出場したんですが、いずれはAチームBチームでワンツーフィニッシュしたいなと思っています」

◆福岡A 第3区区間賞の渡辺勝選手
「自分が先頭を追いかける展開になるかなと思っていたんですけど。中継で1位で来たので、ありがとうございますという感じで走りました。自分の記録だけを狙って走りました。今年に入って調子はいいですね。でも、まだ、調子の波がありますので、そこは僕の課題だと思います。このまま上手くよい調子に乗せていけたらと思います」

東京の鈴木朋樹選手、今大会の経験を次へ活かすつもりだ。

東京の鈴木朋樹選手、今大会の経験を次へ活かすつもりだ。

◆東京 第1区の鈴木朋樹選手
「途中で自分が先に前に出てしまって、先頭でひっぱってしまいました。そこが自分はまだ経験が足りなかったなというのがあります。前半で先頭に出てしまった疲れが体に出て、跨線橋の下り坂で引き離されてしまいました。イメージ的には先頭集団で3位以内に入りたかったんですが…。今回は、勉強になったところがたくさんありました。もっと練習します」

◆東京 第2区区間賞の花岡伸和選手
「2区の走者としての仕事はこなせたかなと思います。今回、優勝をねらえるところではあったんですけど、第1区の鈴木個人の経験にとって必要な負けかもしれませんし、東京チームとしても、すぐに頂点に立つよりも、去年3位、今年2位と一つずつ上がって、また来年と、モチベーションは上がっていくと思います」

短距離をメインとする東京の西勇輝選手。この大会をきっかけに調子を上げていきたいと考えている。

短距離をメインとする東京の西勇輝選手。この大会をきっかけに調子を上げていきたいと考えている。

◆東京 第5区区間賞の西勇輝選手
「先頭は見えなかったんですけど、追いつこうと思って追いかけました。自分のペースをなんとか刻もうとして走って、去年よりは、まあまあよいペースで走れたと思います。記録9分10は、去年よりだいぶ縮まっていますが、9分切りたかったですね。この大会が自分の中でよいきっかけになればいいと思っています」

【結果】
1位 福岡A 44分31
2位 東京  46分32
3位 大分A 47分57
4位 京都A 49分56
5位 長野  50分57
6位 大阪  51分14
7位 岡山  53分40
8位 高知  57分00

第1区区間賞の樋口政幸選手。世界の強豪と勝負するため、今冬は筋力アップに取り組んでいる。自信の予想より手ごたえのある走りで区間賞を獲得。

第1区区間賞の樋口政幸選手。世界の強豪と勝負するため、今冬は筋力アップに取り組んでいる。手ごたえのある走りで区間賞を獲得。

【区間賞】
第1区 樋口政幸(長野) 11分27
第2区 花岡伸和(東京) 6分17
第3区 渡辺勝(福岡A) 5分46
第4区 山本浩之(福岡A)11分00
第5区 西勇輝(東京)  9分10