Rakuten_Day1_Kunieda

9月28日から東京・有明コロシアムなどで開催中の男子テニスの「楽天ジャパン・オープン2019」は今年から車いすの部も導入され、4日から競技がスタートした。初日はシングルス1回戦(4試合)ダブルスの準決勝(2試合)が行われ、日本から国枝慎吾(ユニクロ)を含む5名、海外勢3名の全8選手が出場している。

男子シングルス世界ランキング2位の国枝はシングルス初戦では韓国のイム・ホーウォン(同34位)を6-2, 6-1のストレートで退け、5日の準決勝に駒を進めた。また、ダブルスでは同6位のステファン・オルソン(スウェーデン)と組み、水越晴也(アイシン・ソフトウエア/同56位)・小田凱人(一宮市立西成中/同90位)ペアを6-0、6-0で破り、5日の決勝に進出した。

シングルス戦を終えて会見に応じた国枝は、「楽天オープンでの(車いすの部)開催が実現して光栄です」と話し、日本国内で開催される国際大会は少ないことから、「車いすテニスを、そして、国枝慎吾を見てもらえる場だと思います」と開催を喜んだ。

また、来年の東京パラリンピックに向けて新設された会場でのプレーには、「すごくきれいなコートで楽しみにしていた」と話すとともに、出場が内定している東京パラを見据え、「パラリンピックの初戦を意識して、あえて自分にプレッシャーをかけて臨んだので、(今日の)序盤は少し硬くなった。本番コートで試合ができるのは、(東京パラに向け)いい経験になる。ホームの観客の声援をプラスに変える方法を、今大会で見つけたい」と2日目以降に向けて意気込んだ。

車いすテニスの部は5日にシングルス準決勝(2試合)とダブルス決勝が、6日にシングルス決勝が行われる。

■車いすテニスをアピールする絶好のチャンスに

楽天オープンへの車いすテニスの部導入について、日本代表の中澤吉裕監督は「長年の要望がかない、率直に嬉しい。日本開催の国際大会は少なく、2020年を前に強化と普及につながる」と話し、健常のトッププロの試合との併催は、「多くの人に(車いすテニスを)見てもらう機会になる」と強調した。

また、健常の男子シングルス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)も会見で車いすテニス導入への感想を聞かれ、「素晴らしいこと。車いす選手たちは私たちにインスピレーションやメッセージを与えてくれるヒーローだ」と返答。国枝とも交流があり、過去に何度か車いすテニスを体験したこともあるそうで、「体験してみて難しさを知り、車いす選手に対する尊敬の思いがさらに強まった。同じテニスとして一緒に発展していければいいと思う」とも話した。

(取材・文:星野恭子)

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