国枝選手

国枝選手

男子テニスの楽天オープン・車いすの部2日目の5日は、シングルス準決勝2試合とダブルス決勝の全3試合が行われた。

第1試合では男子シングルス世界ランキング2位の国枝慎吾(ユニクロ)が同91位のドン・シュンジャン(中国)を6-0、6-1で圧倒し、決勝進出を決めた。ドンも時折、威力あるサーブを打ち込んだが、国枝はコースを巧みについた精度の高いショットや高速サーブなどで寄せ付けなかった。

第2試合は同6位のステファン・オルソン(スウェーデン)が同27位の齋田悟司(シグマクシス)を6-0、6-0で下し、決勝に進出した。敗れた齋田は、「ステファンの速いサーブをどう返すか、いろいろ対応したが、難しかった。冷静さを失ってしまった」と悔しさをにじませた。

一方、楽天オープンでの車いすテニス初実施については、「嬉しいこと。自分の長いキャリアの中でも、思い出に残る試合になった。車いすテニスをアピールできる場として選手の意欲も上がり、レベルアップにもつながると思う」と、パラリンピック6大会連続出場のベテランの視点で話した。

この日の最終試合となったdダブルスの決勝では国枝・オルソン組がドンとイム・ホーウォン(韓国)のペアを6-0、6-0で退け、大会初優勝を飾った。

国枝もオルソンも鋭いサーブやショットの精度でドン・イム組を圧倒し、相手にほとんどポイントを許さず格の違いを見せつけた。

試合後、会見に臨んだ国枝は、「オルソン選手とは久しぶりに組んだが、かみ合ってうまくプレーでき、満足している」と話し、オルソンも「慎吾と組む時はいつも調子がいいが、今日は特に安定したプレーができた」と応じた。

息の合ったところを見せた二人だが、明日の決勝戦ではネットを挟んで向き合うことになる。オルソンが、「互いに相手の強みも弱みも知っているので、いい試合になると思う。今日はやりたいプレーができたが、(国枝が相手の)明日はもっとレベルアップしたプレーが必要だろう」と意気込めば、国枝も、「オルソン選手の調子が良さそうなので、タフな試合になると思う。気を引き締めてやりたい」と静かな闘志を燃やしていた。

楽天オープンのシングルス初代王者を決める、国枝とオルソンの戦いは6日午前11時から、有明テニスの森公園内の楽天カードアリーナで行われる。

(取材・文:星野恭子)
(撮影:小川和行)

ダブルス優勝の国枝・オルソン

ダブルス優勝の国枝・オルソン

KO1910051089

KO1910051785