2024ジャパンパラゴールボール競技大会(大会2日目:3月16日、横浜国際プール)の決勝で、日本はイスラエルと対戦し、1対3で敗れた。試合開始の前半6分までに、イスラエルが3得点。日本はイスラエルの反則で得たペナルティースローを、エースの萩原紀佳が決めて1点返したものの、追加点が取れなかった。後半は、両チームともに得点できず、3対1で終了した。

大会には、日本、イスラエル、韓国、フランスの4カ国が出場。大会1日目に総当り戦で予選を行い、大会2日目に準決勝、3位決定戦、決勝を行った。2023年12月末時点の世界ランキングでは、日本が2位、イスラエルが6位、韓国14位、フランス20位。4カ国のチームはともに、今夏にフランスで開催されるパリ・パラリンピックに出場を予定している。日本は、2今大会の予選3試合を全勝して決勝に臨んでいた。

優勝はイスラエル、スピードボールによる攻撃が特徴

 決勝戦は、前半の開始6分間で勝敗が分かれた。

試合開始1分弱、イスラエルのLihi BEN DAVID(リヒ・ベン・デビド:背番号6)のスピードの速いボールが、日本のキャプテンでセンターの高橋利恵子(背番号7)と、レフトの新井みなみ(背番号2)の間を抜いて、ゴールに突き刺さった。

先制点からさらに約1分、ダビドのスピードボールは、ライトを守っていた萩原(背番号6)の横をすり抜けて、1点を追加した。

これに対し、日本はイスラエルの反則で得たペナルティスローを萩原が決めて、1点を返した。しかし、前半6分、再び、デビドのスピードボールがネットを揺らし、1対3となった。

イスラエルの2点リードで始まった後半、日本はレフトを新井から安室早姫(背番号4)、さらに天摩由貴(背番号1)へ交代して、堅実な守備を保ちつつ、攻撃のチャンスを伺った。しかし、イスラエルの守りは堅く、得点できなかった。

日本は堅い守りが基盤

ゴールボールの試合は、前半12分、後半12分で行われる。コートに立つのは、各チーム3選手。相手チームのコートにある幅9メートル、高さ1.3メートルのゴールにボールを入れると1得点となる。攻撃のボールは、自分たちチームのエリアとニュートラルエリアで2バウンドさせて、相手チームのエリアに到達しないと反則となる。一方、守備は、弾んで転がってきたボールを、ゴールラインの手前で、選手たちが手や足、身体の前面を使って止める。

今大会の決勝戦、日本は、試合開始から6分、前半6分間のイスラエルの攻撃を警戒していた。この時間帯、イスラエルのデビドのスピードボールが特に勢いがあることを実感していた。守備に注力していたものの、デビドのボールのスピードに追いつけず、防ぎきれなかった。2点を追いかける展開の中で、イスラエルの反則で得たペナルティスローで得点できるチャンスはあったが、決めることができなかった。

 攻撃の要である萩原は、ペナルティスローで得点を得られなかったことについて、「コントロールの悪さが目立ちました」と振り返った。日本は、スピードと力のあるボールへの対応、狙った通りのコースに投げわけていけるコントロールなど、今大会で見つけた課題へ取り組み、パリ・パラリンピックでの金メダル獲得を目指す。

3位決定戦は、フランスと韓国が対戦し、2対6で韓国が勝利した。

(取材:河原レイカ)

(写真提供:小川和行)