ごあいさつにかえて
◆私が発信する理由
「障害者スポーツ」という言葉がある。
正直にいうと、私は、この言葉を好きではない。
「障害者スポーツ」というとき、
その対として
「一般のスポーツ(障害のない人のスポーツ)」を
想定することになる。
障害のある人と、ない人を、分けたり、隔てたりする考え方が背景にある気がして、嫌な気持ちになるからだ。
たしかに、障害特性を踏まえた各競技のルールはある。
たとえば、視覚障害者柔道は選手同士が組んだ体制から「はじめ!」と審判の声が
掛かり、試合が開始される。
この点は、互いに離れた位置に立ち、審判の「はじめ!」の後、選手同士が近づき、組み手争いから始まる一般的な柔道とは異なる。
しかし、競技のおもしろさ
選手たちのパフォーマンスの素晴らしさ
競技を見る観客の興奮、感動
それらは、障害のある・なしにかかわらず、同じだと思う。
「スポーツは、スポーツ」
「アスリートは、アスリート」
それでいいのではないだろうか。
そんなふうに考えたりする。
よく知らない人に説明するために、
私自身、あえて「障害者スポーツ」という言葉を使ってしまうことがあり、
嫌な気持ちになる。
もっと自然に、
「ああ、あの競技のことですね!」
「あの選手、いいよね!」
「この前の試合、劇的な展開だったね!」
などと語り合える人たちが増えたらいいなと思う。
そのために、障害者スポーツを「スポーツ」として、
ゆるく、楽しく、刺激的に「パラスポ!」で発信していきたい。
河原由香里