女子T13クラス 佐々木真菜選手

女子T13クラス 佐々木真菜選手

期限は、7月21日。
今年11月、ドバイで開催予定の「世界パラ陸上選手権大会」への出場を目指す選手たちは、
この期限を念頭に、競技に取り組んでいる。
世界パラ陸上に出場するには、日本代表選手に選ばれなくてはならない。
期限までに、日本代表選手の選考基準として設定された記録をクリアすることが条件だ。
7月に入り、記録をクリアするためのチャンスは、残り2大会。
その一つ、関東パラ陸上競技選手権大会が7月6日、7日、東京都町田市で開催された。

女子(視覚障害:T13クラス)の佐々木真菜選手は、世界パラ陸上400mへの出場を目指している。
佐々木選手は、400mの日本記録、アジア記録58秒34の保持者だ。
しかし、日本パラ陸上競技連盟が設定した世界パラ陸上への派遣指定記録は58秒11。
派遣指定記録をクリアするには、自身の日本記録・アジア記録を上回るタイムを出すことが求められている。

佐々木選手は、小雨の中で行われた関東パラ陸上2日目の400mで58秒56の大会新記録を出したが、派遣指定記録には届かなかった。
「派遣指定記録を突破できなかったことは残念」としながらも、
雨の中でも58秒台の大会新記録を出せたことについては「成長したところだと思います」と話した佐々木。
これまでは、風や雨などの天候の中で、好記録を出すことが難しかった。
緊張してしまい、自信を持てずにスタートラインに立ち、不安を残したまま走って失速することがあったという。
関東パラ陸上の400mは、前日からレース展開をイメージし、雨や風があっても自信を持ってレースに臨むことができたという。

佐々木は、「今の実力でいくと、練習どおりにやっていれば、57秒台は見えてきます。
ジャパンパラ陸上大会は派遣標準の最終選考になっているので、そこでしっかり記録を残して世界パラにつなげられたらと思います」と話した。

世界パラ陸上で、東京パラリンピック実施種目について各クラス・各種目4位以内に入った選手は、2020年東京パラリンピックの日本代表選手に推薦される。
世界パラ陸上の日本代表選考の派遣指定記録は、2020年の東京パラリンピックを見据えたものになっており、
派遣指定記録をクリアすることは、2020年東京パラリンピックへの出場権を獲得するための一つのステップといえる。

派遣日本記録突破・アジア記録を上回る派遣指定記録の設定は「高いハードル」のように思えるが、
日本代表選手には、2020年の東京パラリンピックへの出場権獲得やメダルを狙える状態で、世界パラ陸上に臨んでほしいということだろう。

派遣指定記録をクリアするためのチャンスは、残り1大会。
世界の舞台を目指す選手たちは、7月20日、21日に岐阜県で開催されるジャパンパラ陸上競技大会に臨む。

(取材・執筆:河原レイカ)
(写真提供:小川和行)