大会レポート 第14回 ウィルチェアーラグビー日本選手権

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第14回ウィルチェアーラグビー日本選手権大会の決勝で、BLITZ(ブリッツ/埼玉県)がOkinawa Hurricanes(沖縄ハリケーンズ/沖縄県)を破り、優勝した。
ブリッツは第7回から第11回まで同大会5連覇したが、第12回は2位、第13回は8位と優勝を逃していた。今大会では沖縄ハリケーンズの3連覇を阻止し、日本一に返り咲いた。

日本一に-戻ってきました-と話した島川慎一キャプテン
日本一に-戻ってきました-と話した島川慎一キャプテン

ブリッツのキャプテン、島川慎一選手は、「嬉しいの一言。今大会は、全員で勝つということ、チームワークを今まで以上に大事にしてきました。練習も基礎の基礎からやったりしました。アシスタントコーチの涌井俊裕が徹底して統括していたんで、いいチームワークができたかな。その勝利だと思います」とコメント。
島川は、決勝で、沖縄ハリケーンズのニック スプリンガー選手を徹底的にマーク。相手の得点源の1つを抑え込み、勝利を引き寄せた。

◆パワーとスピード

Nick Springer
試合中-もっとも声を出していた-ニック

決勝で敗れたが、沖縄ハリケーンズのニック スプリンガー選手は、パワーとスピードのあるパフォーマンスをみせた。
ニックは、走り出す際のスピードが速く、ボールが渡ってしまうとディフェンスが追いつくことが難しい。相手チームのディフェンスの中も、ぐいぐいと押しきってゴールラインまで抜けていった。

◆熱く、激しく、さらに。

axe-埼玉県-と北海道big-dippers-北海道-の3位決定戦
axe-埼玉県-と北海道big-dippers-北海道-の3位決定戦

今大会のキャッチコピーは「格闘球技、現る」。
ウィルチェアーラグビーが他の車椅子の球技ともっとも異なる点は、タックルが認められてることだろう。(車椅子の後輪車軸より後方へのタックルは禁止)。
試合になれば、車椅子同士がガシーン、ガツーンと音を立ててぶつかりあう。時には、車椅子が転倒することもある。激しさは、まさに「格闘」といえる。
ただし、ウィルチェアーラグビーは、個人対個人ではなく、4対4のチームプレイだ。
選手の持ち味を活かし、いかに、相手チームを戸惑わせるような攻守を展開できるか――。冷静に分析、判断する力も必要な球技かもしれない

【結果】
優勝  BLITZ(埼玉県)
準優勝  Okinawa Hurricanes(沖縄県)
3位  AXE(埼玉県)
4位  北海道Big Dippers(北海道)
5位  HEAT(大阪府)
6位  BLAST(千葉県)
7位  横濱義塾(神奈川県)

【ベストプレーヤー賞】
0.5クラス 當間 貴志 (Okinawa Hurricanes)
1.0クラス 荻野 晃一 (BLITZ)
1.5クラス 河野 俊介 (BLAST)
2.0クラス 渡邉 直紀 (BLITZ )
2.0クラス 官野 一彦 (BLAST)
2.5クラス 仲里 進 (Okinawa Hurricanes)
3.0クラス 池崎 大輔 (北海道Big Dippers
3.5クラス 峰島 靖 (AXE)
0.5クラス 當間 貴志 (Okinawa Hurricanes)

【MSP賞】
2.0クラス Nick Springer(Okinawa Hurricanes)

【MVP賞】
3.0クラス 島川 慎一 (BLITZ)

取材・執筆/河原由香里
写真協力/鈴木純平