浦田理恵選手

ゴールボール女子の浦田理恵選手(総合メディカル所属)が12月11日、東京都府中市で開催された「2021ジャパンパラゴールボール競技大会」で、日本代表からの引退を表明した。浦田は1977年7月1日生まれ、44歳。パラリンピックには、2008年の北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ、2021年の東京と4大会出場。ロンドンでは金メダル、東京では銅メダルを獲得した。

浦田は、代表引退を決断した時期や経緯について

「今年、東京パラリンピックで女子チームは銅メダルを獲得することができました。大会期間中、チームがすごく成長していると感じていました。

銅メダルマッチが終わった瞬間、自分がどんな気持ちになるのかな?と思っていて、その瞬間、チームの成長を嬉しく思える自分がいました。

団体競技ではありますが、代表選考では「自分が必ずコートに立つんだ」という強い思いは必要です。仲間の成長をすごく嬉しく思えた時に、私は、次の選手にバトンを渡す時期なのかなと思いました。そこから、強化指定選手、代表選手としての活動は、今年までにしようと考えました」


と話した。

浦田は日本代表からは退くが、選手としては国内の大会などに出場し、ゴールボールの普及活動などを続けていく。

アイパッチを装着してプレーするゴールボールは、コミュニケーションが重要になることなどから教育効果が高いと考えており、教育の場での活動にも携わりたいとした。日本代表チームをサポートする活動の具体的な内容は、今後、スタッフやコーチと相談しながら進める意向を示した。

ジャパンパラ日本代表候補Bチーム(背番号8:若杉遥、背番号2:浦田理恵、背番号6:高田朋枝、背番号5:節丸真愛)

◆心から拍手を

国内外の大会で取材に応じる時の浦田選手は、記者からの質問に対し、いつも明るい声で、ハキハキと答えてくれた。

ジャパンパラゴールボール競技大会の第1試合が終わった後、ミックスゾーンで取材に応じた浦田選手は、自ら、今大会を最後に日本代表選手から引退することを表明した。これまで国内外の大会で取材に応じる時と変わらない、明るい声で、ハキハキと記者からの質問に答えていた。

浦田選手は、ゴールボールのコートに立つ3選手の真ん中、センターのポジションだ。守備の要であり、両サイドの選手に声をかけるなどして攻撃を支援し、チーム全体を引っ張る役割を担ってきた。長年、チームの中心的な存在だった浦田選手の引退は、少し寂しい気もする。

しかし、「ここまでゴールボールを悔いなくやることができた」「他の選手の成長をすごく嬉しく思えた」という彼女の言葉を聴いて、とても清々しい気持ちになった。

浦田選手のこれまでの活動に、心から拍手を送りたい。

また、どこかで、明るく、ハキハキと話す浦田さんの声を聴ける日を楽しみにしたいと思っている。

(取材・撮影:河原レイカ)