橋本選手(左)と池崎選手(右)

橋本選手(左)と池崎選手(右)

ウィルチェアーラグビーの橋本勝也選手は、2020年東京パラリンピックを見据えながら、自身の強化を進めている。橋本は、日本代表チームの最年少選手として、2018年の世界選手権で優勝を経験。日本代表は今年3月にイギリスで開催されたQuad Nations大会で優勝し、世界ランキングも2位に。2020年東京パラリンピック開催まで500日を切り、日本代表の練習には熱が入っている。日本代表合宿が公開された4月20日、橋本に現状や今後の課題について聞いた。

【Q】今回の合宿で、ご自身の課題と感じたことは何ですか?
【橋本】普段、実戦形式の練習を多くは積めていないことで、今回の合宿でも次々に課題が出てきています。課題に優先順位をつけて、1つずつクリアしていけるようにしたいと考えています。
ディフェンスについては、自分がプレッシャーを掛けにいくところでは、積極的にガンガンと当たりにいき、相手を焦らせてミスを誘いたい。そのために、攻めたディフェンスをできるように心がけています。
オフィンスについては、自分の持ち点が3.5であることで、どこに対してもミスマッチを作れます。そういう状況では、ローポインターともうまくコミュニケーションをとりながらやっていきたいと思います。

【Q】2018年の世界選手権以降、成長を感じている部分がありますか?

【橋本】責任感が変わってきたと思います。持ち点3.5という最も高いクラスなので、自分が何をしなければいけないのか、どういうプレーが求められているのかを理解して、プレーに出せるようにしていきたい。まだ、完全ではないものの、少しずつプレーにも出せていると思います。

【Q】合宿の中で、池崎選手からアドバイスを何かアドバイスを受けましたか?
【橋本】池崎選手からは、ゲームの中で出てきて課題について、それをすぐ直せるだろうとアドバイスをしてもらいましたし、自分でもアドバイスの内容を理解しています。しかし、すぐには修正できないこともあるので、少しずつゲームの中で改善していけたらいいと思っています。世界で活躍する池崎選手や池選手からアドバイスをもらえることは嬉しいです。今後にも、つながっていくと思っています。今のうちに様々なことを吸収して、自分の武器にしていきたいです。

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【Q】今年は、どのような目標を立てていますか。
【橋本】今年は昨年よりも練習量を増やしたいと思っています。ラグ車に乗った練習は週2回しかできていません。でも、週2回の練習で代表の座を勝ち取ることなんてできないと思っています。土日や空いている日はパラアリーナでの練習に参加して、自分のスキルを上げていきたいと思います。ただ、練習日を増やすだけでなく、練習の質も大事です。気持ちも追い込むところと、リカバリーのメリハリをつけたいです。これまでは「ツライから、もういいや」と考えるところもありましたが、2020年の東京パラリンピックが控えているということもありますが、今年は自分を追い込んで代表の座をつかんでいきたいと思います。

【Q】2020年の東京パラリンピックの後、日本代表は自分が引っ張っていくという気持ちを持っているんですか?
【橋本】もちろん自分が引っ張っていきたいですが、そのためには知識も足りないし、それなりのプレーを見せなければいけないと思います。世代交代をしたら成績が悪くなるということはしたくないですし、今のうちから、しっかりやっていかなければいけないと思います。
具体的な目標としては、やはり「体力」をつけなければいけない。今合宿も終盤にきて、かなり疲労がでてきています。池崎選手や池選手に比べると体力がないし、走れてもいません。周りの状況判断やディフェンスの確認、時間の確認など課題がたくさん出てきていますので、それらを1つずつ潰しながら、進化していけたらいいと思っています。

(取材・撮影:小川和行、構成:河原レイカ)