優勝の福岡チーム (写真一番左)主将の洞ノ上選手

優勝の福岡チーム
(写真一番左)主将の洞ノ上選手

第25回全国車いす駅伝競走大会が3月9日、京都市内で開催され、福岡が46分42で優勝、大会3連覇を果たした。同大会は、宝ヶ池の国際会館をスタートし、西京極陸上競技場までの21.3kmを5選手がつないで走る。各区間の距離は、1区6.4km、2区2.8km、3区2.4km、4区5.8km、5区3.9km。出場チームは26チームだった。

優勝した福岡は、1区・洞ノ上浩太、第2区・安川第五郎、第3区・渡辺勝、第4区・山本浩之、第5区・松本直幸でチームを構成。第1区の洞ノ上選手がトップと僅差の3位で入り、第3区の渡辺選手が2位から追い上げて先頭でつないだ。第4区の山本選手も区間賞の走りで優勝に貢献した。
2位は、大分A(廣道純、河室隆一、笹原廣喜、佐矢野利明、渡辺習輔)で48分03。3位には、東京(花岡伸和、鈴木朋樹、渡邊敏貴、吉田竜太、西勇輝)49分20が入った。

福岡の洞ノ上(第1区区間3位)、渡辺勝(第3区区間賞)、山本(第4区区間賞)、大分Aの廣道(第1区区間2位)など、国際大会の経験がある有力選手を擁したチームが強さを示した。東京は若手選手が健闘し、19歳の鈴木朋樹(第2区区間3位)、20歳の西勇輝(第5区区間2位)が区間上位に入った。

■強豪ぞろいの第1区は、樋口が区間賞

有力走者がそろった 第1区区間賞は、樋口選手(No17、長野)が獲得

有力走者がそろった
第1区区間賞は、樋口選手(No17、長野)が獲得

 第1区(6.4km)は、花岡伸和(東京)、樋口政幸(長野)、松永仁志(岡山)、洞ノ上浩太(福岡)、廣道純(大分A)など、パラリンピック等の出場経験がある選手たちが顔をそろえ、注目の区間となった。
 長野の樋口が、スタートから積極的な攻めの走りを展開。跨線橋で仕掛けて先頭に立ち、そのまま逃げ切りを図ったが、福岡の洞ノ上が追い上げ、大分Aの廣道も付いて、3選手の争いとなった。樋口は、最後の左折から第1中継点前で勝負をかけ、スプリント力を発揮して、区間賞を獲得した。記録は11分44だった。

●第1区区間賞:樋口政幸選手(長野)
「強豪ぞろいの第1区で区間賞を獲れてうれしいです。スタートでは逃げることができず、跨線橋で仕掛けたら後ろが離れたので、このまま逃げ切れるかと思ったんですけど。洞ノ上選手にじわじわと追いつかれました。ゴールスプリントだったら勝てる自信があったので、最後、左折したところからのスプリントで勝負しました。面白かったです」

●総合優勝・福岡 主将、第1区区間3位:洞ノ上浩太選手

「今回は、総合優勝を狙っていたので、それに絡んでくるであろう大分、京都A、大阪、東京の4チームをいかに離していくかということを考えて走りました。第1区は、自分も積極的にいき、長野の樋口選手をずっと追いかけていくこともできました。廣道選手を引き連れていってしまって、それはなんとか切りたかったんですけど…。区間賞は逃しましたけど、満足のいく走りができました。中身は納得のいく走りだったので、次につながると思います」。

渡辺

●第3区区間賞:渡辺勝選手(福岡)
 「2番手でスタートして、最後ギリギリで抜いて、タッチしました。後続をいかに離せるかと考えていて、目標は30秒開けようと思っていたんですが。1位との差がけっこうあったので追いつくしかないと思いました」。

■各区間の成績
第1区
1位 樋口政幸(長野) 11分44
2位 廣道純(大分A) 11分45
3位 洞ノ上浩太(福岡)11分45

第2区
1位 佐野純一郎(京都A)6分44
2位 河室隆一(大分A) 6分46
3位 鈴木朋樹(東京) 6分53

第3区
1位 渡辺勝(福岡) 5分56
2位 笹原廣喜(大分A)6分43
3位 用田竹司(京都A)6分56

第4区

1位 山本浩之(福岡) 11分01
2位 吉田竜太(東京) 12分34
3位 西原宏明(京都A)12分58

第5区

1位 渡辺習輔(大分A) 9分29
2位 西勇輝(東京)   9分32
3位 真下和也(京都A) 9分54

平均年齢が若い東京チーム第5区 西選手。

平均年齢が若い東京チーム第5区 西選手。

(取材・撮影/河原由香里)