第28回全日本視覚障害柔道大会・男子66kgは、廣瀬誠選手(36歳・写真左)が藤本聰選手(38歳)を破り、優勝した。藤本選手は、パラリンピック・アトランタ、シドニー、アテネ大会に出場し、66kg3連覇。北京大会では銀メダルを獲得している。廣瀬選手は、日本代表選考大会で藤本選手を破り、昨夏のロンドンパラリンピックに出場した。
今大会の66kg決勝は、廣瀬が腕ひしぎ十字固めで一本をとった。
「一番のライバルで、受けの強い藤本さんに対して、どうやって崩せるか。立ち技からもつれた時の寝技で、いかに勝負をつかめるかという点をポイントに練習してきました」。
廣瀬は、日頃から関節を意識して練習しているが、今回の決勝では、試合の中でタイミングよく技が入ったという。
「普段の練習が結果に出ると思うので、日頃の練習に未練を残さないように、一秒一秒大切に練習していきたいです」。
廣瀬は、今大会の優勝で、2014年に韓国で開催されるアジアパラ競技大会の男子66kg日本代表選手として推薦される。
敗れた藤本は、「まあ、完敗です。一本負けしたけんね。でも、次にやったら、分からんなというのがありますね。負けることは恥ではないので、最後にブラジル(パラリンピック・リオ大会)へ行けたらいいので、そういうつもりでやっています。ブラジルで金メダルとるためのステップと思っています」とコメント。今後は、寝技を磨くこと、スタミナの強化をさらに図りたいと考えている。 (取材・撮影/河原由香里)