ゴールボール日本代表女子は、8月8日から10まで有明スポーツセンターで開催された2014ジャパンパラゴールボール競技大会で、オーストラリア代表と対戦した。
今大会では、日本代表は、Aチーム(安達阿記子、浦田理恵、中島茜、欠端瑛子)とBチーム(小岩井亜樹、天摩由貴、安室早姫、若杉遥)の2チームを編成し、オーストラリア代表と対戦。2012年のロンドンパラリンピックで活躍した安達選手、浦田選手を含む日本代表Aチームが手堅い守備を基盤に強さを発揮し、予選から全勝で優勝した。
日本代表Bチームは、ロンドンパラリンピックに陸上選手として出場し、今年からゴールボールの日本代表になった天摩選手、2013年のアジアユースパラ競技大会の日本代表チームでキャプテンを務めた若杉選手ら、今後の成長を期待される若手選手を中心としたチームだった。今大会3日間の対戦では、Bチームは勝利を手にすることはできなかったが、先輩の選手に頼らずに試合の展開を考えるなど、若手選手が経験を積む機会となった。(取材・撮影/河原由香里)
◆若杉遥選手(日本代表Bチーム)
結果として1勝もできなかったというのは、自分たちの実力が日本代表Aチームの実力にはまだまだ及んでいないんだなという点で、すごく悔しい気持ちもありますし、これから練習すれば強くなって戦って勝てるチームになれるということだと思います。また、新しい目標を見つけさせていただきました。
チームの中では私が一番経験があるので、しっかりゲームメイクをして、得点のチャンスを広げていくことが、今回、このチームの役割として与えていただいたと思っていました。でも、私は強く思うと、その思いが裏目に出てしまうことがありますので、コントロールもできないといけないという点があります。そのあたりはできていたところと、できなかったところがあります。
日本代表として戦っていると、知らず知らずに浦田選手、安達選手にコート内外問わず頼ってしまうところが多いです。今回のような経験をさせてもらうことで、言われてやるのではなくて、自分たちで考えて「こうしよう」と話をしながらできた部分があります。日本代表チームの中で、自分から提案していけるようになりたいです。
■江黒直樹ヘッドコーチ
今大会の収穫は、まず、若い選手にとって、よい経験になったと思います。特にBチームは、自分で考えていろいろやっていたので、よい経験になったと思います。
日本チームが課題としている攻撃力については、個人の力では海外の選手とは体格差もありますので、一人で倒せなくても、二人、三人の力でどうにかこじ開けていくということを考えています。日本は1点を守りきる戦い方でずっとやってきましたが、海外勢が強くなり、抑えきることが難しくなっています。得点をされたら取り返せないといけない。速い球、遅い球、バウンドのある球などを組み合わせながら攻撃していくということに取り組んでいます。全員の力をあわせて、得点を獲っていこうと考えています。
■浦田理恵選手(日本代表Aチーム)
今大会は、日本のゴールボールを生で見ていただいて、応援してもらえる機会となりました。
緊張もありますけど、そのなかで試合ができてよかったと思います。Aチームは全勝優勝できたんですが、勝ち方をもっと貪欲に、ゼロで抑え、得点を重ねて勝っていけるようになっていきたいです。
■安達阿記子選手(日本代表Aチーム)
日本で海外のチームと試合をするのは初めてなので、刺激的な3日間でした。日本でこのような大会が開催されると、私たちもレベルアップしますし、ゴールボールを見ていただける機会が増えるのでよかったです。
オーストラリアは、ボールに回転がかかっていたり、静かなボールを投げてくるチームです。ディフェンスとチームワークが日本の強みだと思いますが、ロンドン以降は、それらに攻撃力アップをプラスするように取りくんできました。
今大会の決勝の試合では、横の動きを使った攻撃をしてみて、それは機能できましたので良さが出たと思います。
◆試合の動画は、ジャパンパラ大会公式ホームページ japanpara.com
で見ることができる。
【試合の結果】
■8日(金)
オーストラリア 対 日本A 0 ‐ 2
日本A 対 日本B 4 ‐ 0
日本B 対 オーストラリア 3 ‐ 3
オーストラリア 対 日本A 0 ‐ 4
■9日(土)
日本A 対 日本B 2 ‐ 1
日本B 対 オーストラリア 0 ‐ 2
オーストラリア 対 日本A 1 ‐ 3
日本A 対 日本B 1‐ 0
■10日(日)
日本B 対 オーストラリア 1‐2
決勝
日本A 対 オーストラリア 5‐0