男子60kg級決勝 平井選手(写真左)、廣瀬選手(写真右)

男子60kg級決勝
平井選手(写真左)、廣瀬選手(写真右)

第29回全日本視覚障碍者柔道大会が11月24日、東京の講道館で開催された。ロンドンパラリンピックに男子66kg級日本代表として出場した廣瀬誠選手(37歳、愛知県立名古屋盲学校)は、今大会、60kg級で出場。決勝で平井孝明選手(ロンドンパラリンピック60kg級日本代表、32歳、熊本県立盲学校)と対戦し、優勝した。男子81kg級は、今大会初出場の石橋元気選手(18歳、福岡高等視覚特別支援学校)が初瀬勇輔選手(33歳、ユニバーサルスタイル)をやぶって、優勝。
都道府県対抗団体戦(男子のみ)は「愛知・石川・兵庫チーム」が優勝。2位は「徳島、愛媛、岡山チーム」、3位は「大阪チーム」となった。
今大会は、2015年2月にハンガリーで開催されるIBSA柔道のワールドカップ、2015年5月に韓国で開催されるIBSA世界大会の日本代表選考を兼ねており、個人戦体重別の優勝者がワールドカップの日本代表として選出。2位までの選手が世界大会の日本代表として選手された。

■きわどい勝ち方の試合を今後の教訓に(男子60kg級・廣瀬誠選手)

男子60kg級で優勝した廣瀬誠選手は、66kg級から階級を下げた理由について、「66kg級のときは、筋トレをしてなんとか体重を増やしていました。66kg級でやってみて世界の壁を感じましたし、自分自身の体も、筋トレをしても思っていたほど体重が増えなかったので、競技者のベストとしては60kgにしたほうがいいと考えました」と話した。
今大会の試合内容については、「久しぶりに階級を下げて臨んだ決勝で、平井選手に対する指導という、きわどい勝ち方でした。勝ってよかったというよりは、課題の多い試合です」とコメント。60kg級で勝負していくには、スピード、技の受けを課題と考えているという。

男子81kg級 石橋元気選手(写真右)

男子81kg級 石橋元気選手(写真右)

男子81kg級決勝は、初瀬選手がかけ逃げとなり、石橋選手が優勝。石橋選手は、「初瀬さんが強いということは聞いていましたし、胸を借りる感じでした。試合の後、腕が上がらなかったです。寝技にいってしまっていたら、確実にやられてたと思います。気持ちでは負けていました」と話した。

男子66kg級 藤本聰選手(写真右)

男子66kg級 藤本聰選手(写真右)

 2016年のリオ・パラリンピックへの出場を目指している男子66kg級の藤本聰選手(39歳、徳島県立徳島視覚支援学校、パラリンピック・アトランタ、シドニー、アテネの3大会で金メダルを獲得、北京大会では銀メダル獲得)は、「今大会はいろいろ試してみて、自分のなかでは相手を圧倒するくらいの試合内容にしたかったんですけど、難しかったですね」と話した。
 リオパラリンピックに出場するためには、2015年に予定されているIBSAワールドカップ、IBSA世界大会の2大会で好成績をのこし、男子66kg級の出場権の決定材料となるポイントを稼ぐ必要があるが、「残り時間は少ないんですけど、常に前を向かなあかん。あきらめたら、そこで試合終了ですよ」と藤本。強い気持ちをもって、来年の勝負にかけるつもりだ。

個人戦体重別 優勝者
■男子60kg級 廣瀬誠
■男子66kg級 藤本聰
■男子73kg級 高橋秀克
■男子81kg級 石橋元気
■男子90kg級 北薗新光
■男子100kg級 廣瀬悠
■男子100kg超級 正木健人 

女子52kg級 石井亜弧選手(写真右)

女子52kg級 石井亜弧選手(写真右)

個人戦体重別 女子優勝者
■女子48kg級 半谷静香
■女子52kg級 石井亜弧
■女子57kg級 三輪順子
■女子63kg級 米田真由美
■女子73kg級 坂本晴菜

(取材・撮影/河原由香里)