第19回アクサブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権決勝ラウンドが1月22日、東京フットボールセンター八王子富士森競技場(東京都八王子市)で開催され、free bird mejirodaiがbuen cambio yokohamaに4対0で勝ち、出場21チームの頂点に立った。free bird mejirodaiは、日本選手権初優勝。

MVPは、free bird mejirodaiの11番 鳥居健人、ベストGK賞はfree bird mejirodaiの泉健也が選ばれた。

free bird mejirodai(以下mejirodai)は、東京都文京区目白台にある筑波大学附属視覚特別支援学校の生徒やOBを中心としたチーム。フィールドプレヤー4人が全員で守り、全員で攻める「トータル・フットボール」をチームの目標に掲げている。

決勝では、前半4分と5分に鳥居健人がドリブルで上がり2ゴール。1本目はゴール前、左からのシュート。2本目は右から相手ディフェンスをかわしてのシュートだった。前半18分には日本代表強化指定選手の2番の丹羽海斗がハーフライン付近からドリブルで上がり、ゴール手前中央からシュート。さらに前半19分、丹羽からパスを受けた7番園部優月が叩き込んだ。

一方、buen cambio yokohamaは、神奈川県の横浜市立盲特別支援学校を活動拠点とするチーム。エースの7番斎藤悠希を軸に攻撃を仕掛けたが、ボールを持って攻め上がろうとするとmejirodaiの選手たちに両サイドの壁際に追い込まれるなどして、シュートの機会をしばしば潰された。

 決勝2得点と活躍し、MVPを獲得したmejirodai鳥居は、2019年7月開催の前回大会決勝で埼玉T.Wingsに7対1で敗れて準優勝だったことに触れ、「前回の結果は全国2位でしたが、悔しい負け方でした。そこから気合を入れなおして、チーム一丸となって戦ってきました」と説明。「今日、この舞台で発揮することができて、しっかり優勝で終えることができて純粋に嬉しい」と話した。

 ゴールキーパーの泉は、チームの攻守について、「連携ということを、意識してやってきました」と話した。アイマスクを装着しているフィールドの選手たちは試合中、ボールの音やゴールキーパーやガイドの声を聞いて互いの位置関係などを把握し、プレーしている。試合展開が速い時や疲労が蓄積してきた時にもしっかり状況を把握し、それに対応した的確な攻守の動き展開できるかが重要になる。mejirodaiは、普段の練習から、選手同士が互いの位置関係の把握や、動きの連携を重視して取り組んできたという。

今大会の決勝は、選手同士の連携が機能。攻守ともに「トータル・フットボール」を形にした。

3位決定戦 コルジャ仙台とA-pfeile広島BFC

同大会は、全国計21チームが参加。10月31日から順次、全国4会場(埼玉県本庄市、東京都品川区、静岡県浜松市、広島県安芸郡)で予選ラウンドが行われた。上位の6チームが準決勝ラウンドで総当たり戦を戦い、free birdme jirodaiとbuen cambio yokohamaが決勝に進出していた。

 また、同日行われた3位決定戦は、コルジャ仙台ブラインドサッカークラブがA-pfeile広島BFCと対戦し、4対2で勝利した。

優勝 free bird mejirodai

2位 buen cambio yokohama

(文:河原レイカ)

(写真提供:小川和行)