日産カップ追浜チャンピオンシップ(12月7日)のハーフマラソン(21.0975km)で、男子は樋口政幸選手(35歳、記録45分45)、女子は中山和美選手(31歳、記録53分58)が優勝した。ハーフマラソンのコースは、京急追浜駅前をスタートし、日産自動車追浜工場の敷地内にあるテストコース(GRANDRIVE)までの1周7.0325kmを周回する。樋口選手は1周目の復路に入る付近から後続を引きはなして独走に入り、そのままゴールした。
男子2位は鈴木朋樹選手(20歳、記録49分19)。1周目で樋口選手に離されたものの、3位以降の選手は引き離して、走り切った。3位は集団での争いとなったが、山賀英二選手(43歳、記録51分26)が入った。今後を期待されている西勇輝選手(20歳、記録51分27)は4位、城間圭亮選手(18歳、記録51分28)は5位だった。
男子1位の樋口選手は、「45分を切りたかったんですが、10月のアジアパラ競技大会を終えた後は、それほど練習を積んでいなかったのでこのくらいの記録だと思います。この大会が、来年に向けて冬のトレーニングを始めるうえで、よいきっかけになればいいですね」とコメント。
アジアパラ競技大会では、5000mで銅メダルを獲得したが、上位を獲ったタイの選手と比べて力の差を感じて帰ってきた。世界のトップ選手との差を埋める取り組みの一つとして、今冬はウエイトトレーニングを重視し、春まで時間をかけて体づくりをする考えだ。
男子2位の鈴木選手は、「日産追浜工場のテストコースから出てきて直線に出る前まで樋口さんについていったんですけど、カーブでスピードを落としすぎてしまって離されてしまいました。そこからは、後ろを見ても誰もついてこなかったので、一人でゴールまで走りきりました」と話した。
樋口選手についていける力はなかったが、3位集団となった選手たちとは差をつけ、単独2位で走りきった。鈴木選手は、トラックの中長距離をメイン種目と位置づけており、今年の冬は基礎体力をつける練習をしていきたいと考えている。
男子4位の西勇輝選手は、前半、単独で3位を走っていたが、後続の集団に入り、最後の直線勝負で4位となった。「最後の粘りがなくて、非常に悔しいです。短距離が専門なので、最後のスプリントで勝負できないといけなかったんですが、半分は出せて、半分は出せないような感じで、不完全燃焼で終わってしまいました」と西選手。3位を一人で走りきる力がなかった点、最後の勝負のスプリントで力を出し切れなかった点を反省にあげた。
女子1位の中山和美選手は、11月の大分国際車いすマラソンの後、レーサーに乗ったときの座る位置・姿勢(ポジション)を大きく変えた。変更後2週間程度のため、まだ探りながら走っている段階だが、変更後のポジションは膝が下へ降りた分、漕いだ力が伝わりやすい側面があると感じている。今後、時間をかけて試行錯誤していく考えだ。
(取材・撮影/河原由香里)